忘れた教科書
わざと教科書を忘れた振りして
先生に手をあげると
「となりにみせてもらいなさい」
少し照れながら「ごめん」と

「いいよ」と微笑む君の笑顔
天使なんて言葉で言うとキザになるけど
だけど本当にうれしかった
それなら僕は悪魔だね

次のページめくる君の指に
見とれていると
「いい?」と聞くから
「うん」とだけ答える

「好き」と言える距離なのに
これ以上遠くなってほしくないから
だから言えずにいること
少しぐらいは気付けよ

「あんな」
「何?」
「かわいいな」
「何ゆってるん?」
「うそじゃ、ぼけ」
必ずいらない一言
だけど前半は本当なのに
自分で自分を追い詰めていた

そうして14歳の夏は過ぎた