ふつう
お前が言った「ふつう」と言う言葉
深く深く俺の心を突き刺した

土曜日の午後のアルバイト
予備校のアドバイザー

初めてお前を見た時は正直戸惑った

上半身しかないお前は
車椅子で腕だけで歩いていた

大学に行きたいと夢を見て
無性にがんばっていた

たまに一緒に帰ることがあって
電車の中ではみんなが目を背ける

「昨日兄貴が、、」
「兄ちゃんおるんか」
「うん、兄貴はふつう」
「お前もふつうやんけ」
「そんなん言ってくれるん先生だけやわ」

「ふつう」

お前は確かに下半身がなかった
だけどもしかしたら
五体満足の俺たちには
「こころ」がないのかもしれない