緑の電車
緑の電車が通り過ぎると
懐かしい香りも心を過る
通り雨に包まれた通りは
少しの土臭さにも包まれる

君がいつも降りてくる
ドアのそでで僕は待つ
一瞬のすれ違いだけど
それでもうれしかった

話しかけようにも
朝のラッシュはそれさえ
僕から奪ってしまう

時計が回ることを
きっと信じた僕がいけなかった
時間が過ぎることを
きっとわかった君に気付いた

目があっただけで俯いた
何もできない自分が
とてつもなくもどかしくて

君の後ろ姿だけが
僕の知る唯一の君だった